2016年3月に福井へ来てくださいました、けいはんなアーチェリー代表の福原伊公哉さんが、アーチェリーとエアフライの相性の良さ、眼を保護する大切さ、そしてエアフライがどれだけ素晴らしいかをジゴスペックスタッフが恥ずかしくなるくらい大いに大いに語ってくれました!

大変熱のこもった長文です。でも伝え方とても上手くてスラスラ〜と読めますので、ぜひとも皆さんに読んでいただきたい内容です!


アーチェリーをやられている方もそうでない方も、必読内容です!!



けいはんなアーチェリー代表 福原伊公哉氏
「アーチェリーに最適な 日本人のためのスポーツサングラス」

アーチェリーで使う弓具に関する問い合わせは多いのですが、スポーツサングラスについての質問を受けたことは一度もありません。アイウェアを正しく扱えるようになることが的中の正確性を高めます。スポーツサングラスは上級者が格好つけて装着しているのではありませんので、誰もが装着して実射を行えるようになるのが理想的です。

そこで何回かに分けて、アーチェリーに最適なスポーツサングラスの話をご紹介します。アーチェリー競技に最も適したスポーツサングラスとして、昨年からサポートをしていただいて長期テストをさせていただいてるメーカーさんにお招きいただきました。
福原 けいはんなアーチェリー エアフライ装着
これは昨年の夏の初め頃に撮影していただいた画像ですが、私が装着しているのはジゴスペック社のエアフライという、新しいスポーツサングラスです。これまでのスポーツサングラスの概念を覆す、サングラスをフィッティングさせることが難しい平面顔の日本人にとって、素晴らしい装着システムを備えた製品です。エアフライについての詳細は、また後日紹介したいと思います。


■スポーツサングラスのメーカーさんに紹介されました

まずはジゴペック社さんで紹介していただいた記事についてです。これまで私がお伝えしてきた内容もあるのですが、実際にアーチェリーを行なっていただくことで、エアフライが他社のスポーツサングラスに比べてアーチェリーで優れた効果を発揮するのかを、ジゴスペック社の皆様に実際に体験してしていただきました。

「福原さん福井に来る!の巻」
http://www.zygospec.com/blog.php?blog_id17=217

「福原さん福井に来る!の巻 その2」
http://www.zygospec.com/blog.php?blog_id17=219

■屋外ではスポーツサングラスを装着してください

私はかつて、ルディープロジェクトというイタリアのスポーツサングラスメーカーの、日本のディストリビューターを立ち上げたときの創業時のメンバーの一人です。スポーツサングラスやスポーツサイクルのマーケットに携わってきましたので、これらに関わる方々や、様々なスポーツに関わるアスリートとの交流が深いです。

日本は福井県の鯖江が国内でのメガネの生産の96%という驚異的なシェアを誇る、世界有数の眼鏡生産の拠点地域として知られています。世界シェアも20%というから、それはそれはスゴイです。その鯖江から、長年培った鯖江の究極の技術力を生かして、日本のアスリートのためにスポーツサングラスを開発したという方々と昨年から交流があり、「ジゴスペック」というブランドを立ち上げられ、製品が発売される前からテスターを依頼されて私もレポートさせていただくことになりました。社長は現役のトライアスリートで、本気も本気のアスリートです。ご自身でもランやバイクで徹底的に使い込み、ジゴスペック社として多くのスポーツでテスターを抱えて数多くのアスリートの声を反映して製品を作り出しています。

世間ではアーチェリー専用というサングラスも販売されていますが、決してアーチェリー専用として使いやすいものではありません。というよりも、そもそも平面顔の日本人に合う設計になってません。多くのスポーツサングラスでは、首を90度近くも横に向けて実射できる人はいませんので、顔から斜め方向に的を見ることになります。そのため単に視界を広くとっただけでは、レンズに設計されている3次元プリズム(D-センター・XYZなど、各社呼び名は異なる)通りの視軸が合わなくなります。

サイトを見るマスターアイの視線は、極端に鼻の方向を向くことになります。実際に屈折した視界の中で的に向けてサイトピンを合わせる状況になり、左右のレンズから見る視界に左右での屈折率が異なる状態で像を結ぶことで、決して快適なものではありません。ある程度は脳が像の歪みを調節して判断してくれますが、スポーツをしている最中は脳には本来の機能を発揮させたいので、これでは本末転倒です。見えているような気になっていても、アーチェリーにおいて必要な機能を果たすことができません。実際はサングラスをオフセット調節できるものでないと、アーチェリーでは使えません。

アーチェリーのリカーブ競技でのサイト(照準器)はフロントサイトのみで、リアサイトの装着は認められておりません。そのためストリングサイトと、顔向けを一定にするためのガイドとなる、スポーツサングラスのレンズの端の部分またはノーズピース部分などを視認することでの、弓ではなく人間側でのリアサイトをどこかに設定することで、正確な射の手助けを行ないます。※メガネやサングラスのレンズまたはフレームの一部に目印となるような書き込みや刻みを加えることは認められてません。

顔向けは人が行なうものなので、サングラスや眼鏡を装着しないと一定にすることは不可能です。そのためスポーツサングラスを装着することが、顔向けの正確性を高める要素となり得ます。しかし欧米人とは違って眼窩が前に出ている日本人は、フィッティング調節ができないとレンズの内側にまつげが当たり、まつげが当たらないサングラスにすると顔とレンズとの間で隙間が開いてしまい、眼球からレンズまでの適正な位置関係を保つことができなくなります。そもそも顔の形が左右対称の人なんてどこにもいませんので、フィッティングに微調整ができないサングラスを使って正確に発射できるようになるハズなどありません(笑)

フィッティング調整できるサングラスであっても、サングラスを顔から離して調整するタイプであれば、レンズ越しに的とサイトピンを視認することができません。顔とレンズとの間に隙間が広く開いてしまうと、レンズの内側で明るさを求めて開いている瞳孔に、容赦なく紫外線が差し込みます。エイミングの最中に目を閉じている人はいませんので(笑)、そんな状態ではサングラスを装着していることが眼球の保護に対して逆効果になってしまいます。

そのためサングラスを装着すると不便に感じるアーチェリー選手が多いのですが、アーチェリーというスポーツは他のスポーツに比べてまばたきの回数が極端に少ないスポーツであり、紫外線が降り注ぐ屋外で長時間行なうという、生身の眼球にとって最悪な条件にさらされます。スポーツサングラスを装着しないで長年アーチェリーを行なっている人に、白内障などの症状が早く起きている割合が高めのデータから見てもわかるように、老若男女とわず屋外で裸眼でアーチェリーを行なうのは、絶対に避けなければなりません。

昔はサングラスを装着して実射を行うという指導はされてませんでした。しかし私も中学から大学までの間にサングラスなしでアーチェリーを続けてきた結果、40歳を目前にして白内障になりました。まだ症状はそれほど深刻ではありませんが、私のように視力検査では何も問題がないにも関わらず、ほんの少し暗いだけで見えにくくなり、明るいとまぶしくて見えにくいという、何とも不便な目の状態になってしまわないように、帽子とスポーツサングラスはアーチェリーに関わる弓具として、子供の頃から絶対に欠かしてはなりません。屋外のスポーツの現場では、練習中も競技中も帽子とサングラスは絶対に必要です。弓具よりも大事です。

サングラスという呼び方がそもそもの間違いなのかも知れませんが、スポーツサングラスはアーチェリー競技においては、紫外線から眼球を保護するためのアイプロテクションとしての防具です。眩しさとか的やサイトピンの見えやすさというのは、実は二の次です。紫外線を99%カットするレンズが眼球を覆うようにして保護さえすれば、レンズの色は透明でもイイのです。

しかし問題なのは、そのフレームにあります。日本人が満足に装着できるスポーツサングラスでなければ、どんな優れたレンズも効果を正しく発揮できません。メガネは自分に合わせてメガネ屋さんで調整してもらえるのに、もっとシビアな使い方をするスポーツサングラスは調整できるものがほとんどないのです。サングラスを装着している多くの人が、自分とは合わないサイズの弓を使っているような、不思議な状態でサングラスを装着しています。これではスポーツでのパフォーマンスどころの話ではありません。エアフライはアーチェリーでお勧めできる、日本人が快適に装着できる数少ないスポーツサングラスです。


■すべて設計者の手によって手作業で組まれているという事実

ジゴスペック社のスポーツサングラスは、日本人の工業デザイナーの方が設計しています。これまで世界中で販売されているあらゆるスポーツサングラスを研究してウィークポイントを洗い出し、日本人にとって最も優れたフィッティングシステムを設計しています。まさに日本人が日本人のためにデザインしているのです。


ZYGOSPEC社 組み立て作業
この男性が、デザイナーの高橋さんです。普段から家の中でもエアフライをかけているほど、エアフライに愛着をもったデザイナーです。自らデザインしたエアフライに、国際特許の構造を持つサイドパッドをサングラスに装着して、一本一本丁寧に組み立ててサングラスを完成させていきます。まるで自分が産んだ我が子を慈しむかのような、丁寧で愛情のこもった仕事です。あまり詳しくは書けませんが、これまで高橋さんが工業デザイナーとして手掛けてきた製品の数々のお話をお聞きすると、それはそれはスゴイです。誰もが知ってるあの製品などや、これまでLEON系の雑誌を飾ってきたあのフレームや、チタンとカーボンのハイブリッドフレームなどを手がけた素晴らしいデザイナーさんです。このように実際に設計された方のお話をお聞きできるのは、とても貴重な体験です。こういった素晴らしい方が、スポーツでの競技成績の向上を担っていると思うと、実に感慨ぶかいものがあります。


エアフライ 調整作業
ここで、こうして設計者ご本人さんを含めた皆さんの手によって組み付けて完成された製品が、日本全国のみならず、世界中の販路に向けて出荷されていきます。製品の向こう側には、このようにして作り手が思いをこめているドラマがあるのです。日本が世界に誇る鯖江のジゴスペック社のエアフライには、並々ならぬクラフトマンシップの息吹が込められてるのを感じます。


パーツによっては製造が海外のパーツもあるそうですが、今後はすべてのパーツを完全に鯖江で生産して、近いうちに純国産を目指すそうです。実はどの国でパーツを作っても製品のクオリティーは同じらしいのですが、この時代だからこそ、あえて純国産にこだわる気持ちを強くお持ちなのです。この並々ならぬ熱い思いは、私たち日本人の力で燃え上がらせていかなければなりませんね。


けいはんなアーチェリー 福原さん at ZYGOSPEC社
そんな熱い熱いお話を、2日間にわたって本社工場でお聞きして、実際に現場を見てきました。そんな真剣な方々の前で社屋敷地内でアーチェリーの説明と実射の披露です。同じ志をもつ大和魂として、スポーツサングラスの世界をさらに広げていただけるお手伝いになれば、それ以上の幸せはありません。画像に写っている私の表情には大和魂の説得力がありませんが(笑)、これが真剣に取り組んでいるときの顔なので仕方がありません♪あとは上記に紹介させていただいた、ジゴスペック社さんのホームページとブログをご覧下さい。


ZYGOSPEC社 ジゴスペック社内の風景 
社長はトライアスリートであり、マラソンランナーですので、アスリートの気持ちを大変理解されてる方です。ジゴスペック社は日本が世界に誇るスポーツサングラスメーカーとして、日本のアーチェリー選手の活躍のために絶大なるサポートをしていただけるとのお話を頂戴しました。けいはんなアーチェリーに限ったような、私の周囲だけの話のような、小さな世界の話をしてきたのではありません。日本のアーチェリー選手へ惜しみなく協力していただけるそうです。日本のメーカーが日本の選手のために尽力して下さるのは、本当に有り難いです。商売や利益を追求するのではなく、スポーツを愛するアスリートの目を大切にするために手を差し伸べていただけるという経営理念には、実に頭の下がる思いがします。

きっと損得勘定ナシで、ジゴスペック製品は多くの日本人アスリートにとって必要不可欠と言われるブランドになると思います。世界を目指しているという人や、将来トップレベルで活躍したいという人は、けいはんなアーチェリーの問い合わせフォームにご連絡下さい。

けいはんなアーチェリーお問い合わせフォーム

エアフライのフィティングシステムはノーズパッドではなくサイドパッドで上下・左右・前後にサングラスを調整することができ、サングラスの方向も装着する角度においても調整できる優れモノです。サングラス本体が鼻元に乗らないので装着感が快適です。私はアーチェリーでは左右にオフセットして装着して、ランニングの際はこのように通常の状態にして使っています。もともと激しい動きをするランナーやサイクリストのためのスポーツサングラスなので、どれだけ激しく走りこんでも動いたりズレたりすることはありません。国際特許のサイドパッドの効果は、他のどのスポーツサングラスよりも効果が高いです。

私がどれほどランニングで走れるかは、合宿をご一緒したことのあるレッスン受講生の皆様はよくご存知だと思います。かつては1500m走で3分50秒ちょっとで走ったこともあります。ロードバイクでは年間2万5000キロを走ってました。スポーツ科学トレーニングで長年培ってきた心肺機能と筋持久力の高さはダテじゃありません。そんな私がどんなに激しい使い方をしてもズレることなく、しっかりとホールドしてくれるのに優しく軽い掛け心地は、これまでのスポーツサングラスの概念を大きく覆すものがあります。

鼻にバッドが乗らないので、お使いになってる女性の方は、ノーズパッドが当たる部分の化粧やファンデーションが落ちてしまうことがなくて喜んでらっしゃいます。通常のサングラスの場合は、顔から外した瞬間から鼻元にサングラスのパッドの跡が残り、その部分の化粧や日焼け止めが落ちてしまいます。アーチェリーというのは格好いいスポーツなので、こういったポイントは現代のアスリートにとって、とても重要です。

眼球という生身の臓器は、紫外線を浴び続けることで将来が困る事態を招きます。数十万円の弓具を買い与えるのに、スポーツサングラスにはお金をかけないというのは、それこそおかしな話です。身体を守らないと言ってるようなもので、紫外線が眼球にとって危険だと知られている現代のスポーツのシーンではナンセンスです。弓具の総額なんて7〜8万円で全国大会で上位に入れるものが揃いますから、弓具にかかる費用にムダな出費は徹底的に抑えましょう。そして大きく浮いたお金で、アーチェリーにとって優れたフィッティング機能を有した、格好いいスポーツサングラスを使いましょう。自分の将来の目を、大切に養う意識が必要なのです。

ジゴスペック社のエアフライについては、また後日詳しく紹介したいと思います。お楽しみに!


スタッフからの感想:エアフライがアーチェリーにこれほど合うスポーツサングラスとは思いもしませんでした。アーチェリーなど眼を見開いて集中する競技には、サングラスは必須ということがわかりました。
折角のスポーツを楽しむ人生を短くはしたくないですね〜。いつまでもスポーツを楽しむためにも紫外線カット、白内障予防も大切ですね。
そして最後に、いつもいつも熱い思い、読みやすくわかりやすい説明をしてくださった福原さん、
本当にありがとうございました!そしてタイピングお疲れ様でした!